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   ヤマモトナホ
2008/ 8/ 4(Mon)
どのくらい水を飲んだら
どのくらい寝たら
アルコールが抜けるんだろう

年に数回私はお酒に呑まれてしまう時がある
トイレに一方通行の愛情を注ぎ続け
場所を変えてはまた別のトイレに浮気する
朦朧とした意識の中でも必ず私は掃除をしてからトイレにお別れを言う

「お世話になりました。」

何故こんなになるまで飲んだんだっけ
会話の内容や自分が話したことは覚えてる
でもまったくその時の感情を覚えてない
きっと楽しくってついはしゃいじゃったんだ

二日酔いに三日酔いがなければなぁ
次の日がなければいいのかもしれない



   ヤマモトナホ
2008/ 7/31(Thu)
自転車と向日葵

一輪の花
落ち込んだ身体で自転車置き場に行った
かごの中に向日葵の花が咲いていた

“向日葵”とつぶやいてみた

きっと誰かが放り投げたのだ
或いはゴミを捨てるみたいに他人のかごに入れたのかもしれない

親戚の叔母さんの意見を横流しにしてわたしはいつも母さんに向日葵を供えた
真夏に白いシャツに健康的に焼けた肌に笑った顔
母さんには向日葵が似合うんだ

疲れきった体とまだ整理のつかないとっちらかった心で突如と咲いた一輪の花を呆然と見つめてしまった
一本だけ抜かれてしまったみたいな向日葵
向日葵はゴミじゃない

偶然すぎることにびっくりしただけだ

自転車のかごに咲いた行方知れずの思いがけない一輪の向日葵がただ笑ってわたしを見つめているみたいだった



   ヤマモトナホ
2008/ 7/28(Mon)
斎場の前に白いワゴンが停車していた
シーツに枕
布団が荷台に積まれ
男が一人運搬作業をおこなっていた
そこを自転車に乗った学生たちが横切り
コンビニ帰りのビールにお弁当袋をさげた人が横切り
体力強化のために走って横切るわたしみたいな人がいる
こうして毎日死の知らせを請負い
布団を運ぶ布団屋がいる

今日はかなり楽に走っていた
徐々に下半身に耐えうる筋肉がモリモリついてきるようだった
信号待ちも少ない
腹筋も少々痛い
肩の力を抜いて下半身で支え腹筋を使って身体のバランスをとりながら走る
快適に快速だ
視界が広い
そのおかげで見なくてもいいものまで視界に飛び込んできて
他人のピンクなプライベートにわたしはいささか恥ずかしなって
もっと速く走れたらいいのにって願った



   ヤマモトナホ
2008/ 7/24(Thu)
三匹の亀

真ん中の亀は冗談が上手かった
いい嘘も悪い嘘もついた
できるだけ楽しいことに身を置いた
それが一番楽だったのだ
だから面倒なことには足を一歩も前に踏み出さなかった
僕は兎でもきっと亀でもないと思った
でもトロかった
そのトロさはまわりを苛々させただけだった
そのせいもあって身体はずんぐりしていて顔はにこやかに垂れていた

どうして そんなにとろいのか?

「泣かんよ」
そう亀は言った

夕暮れが街を被う
ピンクに被われた大きな高層ビルをぼんやり眺めていた

兎の鶏の犬の猫の蛇の友達がいた

ピンクの高層ビルを見てため息をついた
僕は水槽には戻らないと思った
歩みを進めれば行き止まる
右にも左にも後ろにも前にも必ず行き止まりがある
いっそのこと飛べたらいいだ
亀は飛べないことを知っていた

透明な枠組に何処からともなく焦点する目線や勝手に想像されるのが嫌だったのだ

亀が泣くのを見たことがなかった

昔イタズラをして目覚まし時計をオデコに投げつけ流血してるのに泣かなかった弟を思い出させた



   ヤマモトナホ
2008/ 7/23(Wed)
三匹の亀

下の亀はのろまだった
何をやらせても何を考えさせてものろまだった
そのせいで身体もずんぐりしていて顔もどこかひ弱だった
その のろさは時には歯がゆく苛々させ
時には 哀れみをもたれ 可愛がられた

どうして そんなにのろいのか?

彼は自分が亀だということを知らない
兎だとも考えもしなかった

真っ赤な夕暮れが街を被う
亀はピンクに染まる雲を静かに眺めていた

「心にぽっかり穴があいた」
亀はそう言った
兎に鶏に犬に猫に蛇のお友達もいなかった

よくわからなかった
ババ抜きで予期せぬ“悲しい”と書いたカードをひいてしまったみたいに呆然とそのカードを手のひらに置いていた

亀は雲をみてため息をついた
そして自分の小さな水槽に戻ろうと思った
その水槽には何もいなかった
ゴツゴツとトゲのある石それだけだ
今はもう水槽を掃除する人もいない

ただ残ったその水槽が嫌だった
だから のろまで時には苛々させる亀が可哀想でならなかった

亀は静かに水槽に身を潜め
何を考えてるんだろう



    ヤマモトナホ
2008/ 7/18(Fri)
体脂肪率

近所のプールで一時間余り泳ぎを堪能した帰り
ロビーに血圧と体脂肪率の計測器が視界に入った

体脂肪率計測器がキランと輝いた
ロビーの横ではかっこいい今風の指導員(おにいさん)とおじさんが会話をしていた
わたしは今の今まで体脂肪を測定した記憶がどこにもない
体脂肪率にきっと縁がなかったんだ
わたしの体脂肪率は成人女性の平均にいた
いや ちょっと気が緩むと平均ぎりぎりラインだ

腰を痛めてからというものの体重制限を守ってはいた
何もないお家にだって体重計はある
最近わたしは基礎体力の回復と体力作りを開始していた
筋トレにランニング
何よりも食生活バランスのいい食
頭の端っこのよく目につく棚に“体脂肪率”を置こう
3%ダウンだ
4年余りの緩いダイエット計画は何はともあれ成功におさめていた
10年前のわたししか知らない人は皆びっくりしたくらいだ

性別に身長やらをインプットさせ 測定器にのって何故体脂肪率がわかるんだろう

窓から雨がみえた
今日も雨だ
何故雨ばかりなんだ
恐らく知らなかったんだ
外の世界はこんなに天気がうつろいやすく
四季の変わり目も繊細に少しずつ歩んでいたことを



   ヤマモトナホ
2008/ 7/18(Fri)

考え事

わたしはしょっちゅう考え事をする
そのほとんどが 現実と結びつきを持たない
今日は 新しくきた店長の顔について考えた
わたしは彼がどうしてもドラえもんに似てるという観念から中々抜け出せずにいた
あの時の顔は ドラえもんぽくないんだよなぁ おしいなぁ とか
そう あの笑顔がドラえもんにちかいものを感じさせる
なんであんな笑顔をみせるんだろう
いや顔だけの問題ではなく身体的風貌がより一層ドラえもんに似せてくるんだ
そうだ きっとそうだ
手はきっと白く丸い
ほら やっぱり丸いじゃん
そんなこと考えてると 何故こんなに彼が気になるんだ?
ふと彼を思い浮かべ 微笑んで 一人でクスクス笑って
これじゃ まるで恋心
いや 違う 恋ってのは きっともっとせつない
恐らく
なんで もっと彼にはやく出会えなかったんだろう もっとはやく出会っていたら彼は独身で同じ歳の共通項から一緒に遊びに行こうよとか誘えたのに はあぁ…諸々
激しく彼との空想と妄想の世界に浸る
そうわたしは考え事をしてるんだ
空想や妄想じゃない考え事だ
彼は可愛いいんだ
確かに動物的要素が強い
同じ犬年だが 彼は犬じゃない
やっぱり頼りないドラえもんなんだ

しっくりきた



   ヤマモトナホ
2008/ 7/14(Mon)
赤蕪の収穫

1ヶ月半前に母さんが放り投げていった(残していった)庭に赤蕪の種を蒔いた
生前 植える気になって肥料を蒔いて耕して小さな畑をつくっていた
わたしの見解だと 去る前日か前々日
わたしはその種とあとスーパーで購入した白蕪の種も蒔いた
でも白蕪は大きな差をつけられ追い抜かされ途中で挫折しちゃったみたいに芽を出さなかった
土壌があまり良くないのだ
ふと 他の家の庭が気になった
いろんな花が咲いて いろんな野菜を栽培している
今の時期というのもあるが 小さな街に豊かな庭が溢れていた
きちんと手入れが施され 太陽の陽をいっぱいに受け止め 恵みの雨を喜んで浴びている
それが食卓に並び
今年は良く育ったとか
こりゃ美味いなとか美味しくないとか
残さず食べないと大きくなれないよとかだって嫌いなんだもんとか
そんな話が聞こえてくる
とってもいい

さてはて 収穫はしたものの この赤蕪をどう調理しよう
知らないことが多すぎて もっと聞いておけばよかったなと後悔
とりあえずサラダにでもしよう 酢で和えてもいいかもしれない
色々試してみよう



    ヤマモトナホ
2008/ 7/ 6(Sun)
5月4日 みどりの日

何とも“らしい”日に母さんが逝った
誰もがその死を疑ったが後々考えると悲しいことに
何とも”らしい“最後だった

度々わたしは日記に母のことを書いた
それは わたしが母のことが大好きだった故もあろう
見た目とは裏腹に人間的にとても可愛らしい人でわたしたちだけに見せる脆さが今も尚哀しみを誘う
残された物質的なものや影を追うのが非常に辛かった
その苦しみはわたしたちの想像を超越するものだったからだ
何れにしろ“本当のこと”はわからない
わたしは残された影を今も追っている
わたしには
もしかしたら防ぐことができたかもしれない大きな後悔があって その筋を考慮すると恐らく己の生き方を否定しなければならいことだった
色々な人に言葉をかけてもらった
そして開けたくないだろう箱を開けて自分の話してくれた人もいた
わたしは本当に感謝をしている

青空が一面に広がる広い中でたくさんの自然に囲まれ
カラカラと自転車で走っていく力のある母が見える

十勝平野の真ん中で

“らしい”



   ヤマモトナホ
2008/ 6/27(Fri)
黒い犬と猫


犬を散歩しとる人がおったんだ
黒いわんこだ
そしたら ひょひょっと犬が動いたと思ったら
にゃんこが
猫な
猫がおったんだ
そしたら にゃあにゃあないたわけさ
わんこに
犬にむかってな
そしたら
ささーとにゃんこに寄ってったんだわ
何だ?と思ったら 顔を 二つの顔な 寄せてくっつけとるわけさ
ありゃあ仲良しなんだなぁ!



☆Monoceros ver 0.10 by kz island
Edit By *- CGI Cafe. -*